2022.03.16

今回、土井縫工所ではオーセンティックスタイルとは?と題し、2大シャツスタイルの
【ブリティッシュスタイル】と【イタリアンスタイル】について2回にわたりご紹介します。
vol.1はブリティッシュスタイルと英国を代表する生地トーマスメイソンです。

vol.1 ブリティッシュスタイル&トーマスメイソン

vol.1
ブリティッシュスタイル
&トーマスメイソン

シャツの起源

様々なサイトでも紹介されていますが、シャツの起源は古代ローマ時代まで遡ります。
その時は今のような襟付きのシャツではなく、チュニックでした。

多様なシャツの登場

20世紀頃から多様なシャツが登場します。
今では当たり前のボタンダウンカラーも元々は1890年頃に英国のポロ競技の際に着用するウェアをヒントに考案されたものです。
ちなみにポロ競技のウェアに使用していた生地が通気性に優れて、丈夫な生地のオックスフォードだとか。
その後、クレリックシャツや襟型ではウィンザーカラー(1920年頃~)、クラシックな雰囲気のロングポイントカラー(1930年頃~)、そして1980年頃にはタブカラーが登場します。

ブリティッシュスタイルなシャツ

ブリティッシュスタイルは上質でハリのある生地を丁寧な縫製で仕立てているのが特徴です。
これは気候にも関係していて、雨が多く湿度の高いイギリスではへたりにくい生地が好まれ、一言で表すなら硬いイメージ。
スーツもシャツも重厚感があり、台襟釦までしっかりと留めネクタイを結んだときにこそ魅力的で、自然と立ち振る舞いもエレガントに気品が溢れるものとなります。
まさに、紳士のイメージの強い英国ならでは。

ブリティッシュシャツの代表的な襟型としてはワイドカラー(襟の開きが100~140度のもの)で、
様々なシーンで着用できることから土井縫工所でも1番人気の襟型です。

他にも、1920年~1940年のファッションに多大な影響を与えた英国のウィンザー公をが好んで着用していた襟をオマージュして作った襟型のウィンザーワイドもご用意しています。
ウィンザーワイドはワイドカラーよりも重厚感のある襟ですので、ブリティッシュシャツをお探しの方には一度、お試しいただいてもいいかもしれません。
また最近では、よりクラシックに見えるレギュラー襟を合わせるのも流行ってきています。

ネクタイを結ぶときのノットの大きさも、ワイドカラーだからといって大き目のノットで結ぶだけでなく、ブリティッシュシャツの襟は台襟が低い(4cm以下)ものも多いので、コンパクトなノットで結んでいただいてもバランスの良いVゾーンになります。

他にも釦ホールを開けている前立て部分が32mm幅の表前立てがブリティッシュシャツに多く見られるデザインです。
これは当て布としての本前立てのシャツのデザインに由来するもので、
土井縫工所で選べる前立ての表前立てはこの32mm幅を採用していますので、
ブリティッシュシャツに雰囲気を近づけたい方は、表前立てを選んでいただくのもおすすめです。

ブリティッシュスタイルシャツの特徴

以上のように、ブリティッシュスタイルのシャツにはこのような特徴があります。

■滑らかでありながら、ハリコシのしっかりとした上質な生地
■丁寧で堅牢な縫製や型崩れを防ぐ硬めの襟カフスの芯地などの実用的な仕立て
■襟の開きが広すぎず、高すぎない襟越しのベーシックなワイドカラー~レギュラカラー

英国の生地ブランドTHOMAS MASON

1796年、英国・ランカシャーに最初の綿ファブリック工場の一つを設立。
当時、最高品質と評された生地は貴族階級と豊かな上層階級のためにウェスト・エンド・ロンドンの仕立て屋で使用され、後には大英帝国全土と世界各地に輸出されるようになりました。

1991年、トーマスメイソンの歴史と膨大で貴重なアーカイブに陶酔したイタリア/ベルガモのAlbini(アルビニ)社によって買収されました。
アルビニ社はイタリア3大ファブリックメーカーの一つで、100年以上高級シャツの製造業者として最新の技術を駆使し続けています。
買収にあたって伝統と最先端技術の融合を成し遂げたと評価されました。

トーマスメイソンはこの買収を機に、生産拠点をイギリスからイタリアへ移しています。
トーマスメイソンは買収された後も英国御用達ブランドであり、ターンブル&アッサーなどの仕立てシャツ店の多くが現在もトーマスメイソンをメインサプライヤーとして取り扱っています。
また、世界のセレブにも顧客が多く、上質を求める英国生地の伝統に基づいて生産された最高級の生地は、今もゆるぎない地位と支持を得ています。

トーマスメイソンが得意としているのは生地は100番手から140番手程度の細番手で、高級ゾーンにあたります。
生地の番手は糸の太さを表す単位で番手が上がるほど光沢が増し、美しくしなやかな生地になります。
トーマスメイソンならではの打ち込みの良い生地はハリがあり、艶やかながらしっかりした糸使いで堅実な色使いは発色がとてもきれいで品が感じられ、
ブリティッシュスタイルのシャツをお求めの方に、おすすめする生地ブランドです。