ウインターホリデイのまごころ。

師走も押し迫ってきました。
今年も残すところ、あと5日。年末年始の休暇ももうすぐで、
平成最後の年末を慌ただしく過ごされている頃だと思います。
先日、とあるスーパーマーケットに行ったときのこと。
そこは食料品に加え、生活用品全般を扱っていて、専門店フロアもある、いわばショッピングセンター系のマーケットで、もちろん、大企業が経営するチェーン店です。
インテリア用品も、昨今のインテリアブームの波に乗り、こじゃれたアイテムをエコノミープライスで販売しています。
ひと昔前なら、輸入雑貨を扱うショップで、それなりの金額を出さなければ入手できなかったようなデザインコンシャスなアイテムが、普通のスーパーマーケットプライスで販売されている。
消費者にとってはありがたーい世の中になってきました。
そのマーケットもそんなお店のひとつで、そのときはさらにワゴンセールで、おしゃれだったり、
かわいかったりするカトラリーや生活雑貨が出品されていました。
ワゴンセールというと目がない性分で、買う買わないは別としてチェックは必須です。
そのときも、機能的かつおしゃれなキッチン雑貨を見ていると、とてもかわいらしいフォークを発掘!
文字どおり、乱雑に積まれた商品の山の下の方から、赤い柄がついたフォークを救い出したのです。
朝食はほぼワンプレートで、毎朝、同じシンプルなデザインのフォークを使い、目玉焼きやアボカドやハムをついばみます。
メニューに飽きているのを、フォークの改革でマンネリ打破するべく、ポップでかわいい赤い柄がついたフォークの値段をチェック。
すると、どこにも値段の表記がありません。
ほかの在庫は、と探しても見当たらず、どうやら最後の1本のようです。
ラス1とな。!! 余計いとしい。
色違いでもあれば値段がチェックできるので(色によって値段が違うものも、中にはあるとはいえ)探したところ、柄がグリーンのフォーク+スプーン+カトラリーケースというセット商品が見つかりました。
この赤いのも多分セットで売られていたものが、なんらかの事情で、一つだけ残ってしまったようです。スプーンやケースは影も形もありません。でもワゴンに出品しているのだから、と、売り場の人に、赤い柄のスプーンの値段を聞いても当然わからず。しまいには売場責任者か仕入れ担当なのか、おじさん登場。
これが欲しいけれど値段がついていない、スプーンとケースのセット商品のようだが、ほかのものはない、ひいては、こに商品だけ買うことはできないのか?とうかがったわけです。

おじさんは、困り顔で「催事商品で仕入れたものなので、セットでしか販売できない、単純に三分の一という値段をつければいいというわけでもないので、申し訳ありませんが」とおっしゃる。
そのおじさんの立場はよくわかるので、まあ、そうですよね、とあきらめて帰って来ましたが、
帰り道、腑に落ちない思いでいっぱいでした。
商品が売り場に並べられていて、それを欲しいという人がいる。でも、セット商品だから、ひとつでは売れないという。ところが3ピースセットのあとの2点は失われている。
では、もう、売ってしまえばいいのではないか?
それが商売の原点ではないのか?
ところが、今は大きな企業がマニュアルだのマーケティングだのというシステムの中で商品販売をしているので、簡単にものの売り買いができないのだ。
便利さを追求するあまり、不便になってきているんですね。
便利なデバイスが、パスワードを忘れたら使えないように。自分のものなのに自分で使えない。
自由競争なのに自由に売り買いできない。
なんだかなあ。

先日、二子玉川と下北沢という正反対の東京の街に続けて行きました。
前者は、大きな企業が、巨大なSCを作って街づくりをした場所。
後者は、昔も今も、個人事業者が形作って来た場所。前者は莫大な予算をかけて用意された、キラキラと輝くリッチ&クリーンなショッピングタウン。
後者は、タイトな予算で手作り感覚で作られた個人商店がひしめくダウンタウン。
どちらにも独特の魅力がありますが、近未来への期待という点では、後者のほうかと思います。
人口も減り、GNPも下がり、国力も弱まっている日本。
ピカピカに輝くSCが林立する街だけでは、人は暮らせない。
3点セットから残ってしまった1ピースでも買える店のある街が恋しくなるはず。
手作りの個人商店が復活するべき時代なのでは、と思います。
とはいえ、そんなに簡単ではないと思ってはいますが、
失われていくものの中から、
存在価値のあるもの、まごころのあるものは、きっと復活するはず、という気がしています。

この時期、街を彩るイルミネーション。
関東の三大イルミネーションに選定され、大人気の江ノ島。
シーキャンドルと呼ばれる展望台周辺が「海の宝石」と化し夢の国のように光り輝いています
そのイルミネーションを、なんと、江ノ電の社員と地元の商店の人々が、
地域ぐるみで手作りしているというから驚きです。
SCやデパート、さまざまな企業絡みのイルミは、専門の会社が企画書を提出して決定され、
施工もその会社が請負ます。
予算も大きくゴージャスできれいですが、江ノ島の手作りのきれいさは格別です。
マニュアルどおりではない、素朴な創意工夫や情熱がそこここに感じられます。
その結果の大人気。
人はやはり、手と手、言葉と言葉、ちがう言語で話したとしても、気持ち。
そんなものにやっぱり惹かれるのかなと思います。
オンラインショッピングやネットのオークション、ネットのフリマであったとしても、
そこに人の思いが現れるはずで、そこに人は居場所を感じるんだと思います。
居場所イコール、ここでものを買いたいと思えること、という感じでしょうか。
AIでない人が売り、AIでない人が買う場所が、
AI=システムにコントロールされるって、なんだかちょっとね。
では、年末に向けて、ハッピーなお買い物を!!

*写真はキラキラタウンのクリスマス。