春を呼ぶリバティ

およそ技術開発されているものはほとんどみな、日々飛躍的に進化しています。
でも、ファッションやデザインに関しては、
進化するだけではなく、レトロ、つまり、過去に退行するのもスタイルのひとつ。
ファッションに関しては1960年代初期に、
一定の進化の過程を終えているような気がします。
もちろん個々のデザインであれば色々個性的なものは出ていますが、
ファッション体系の流れを変えるほど革命的なスタイルは、
60年代にもう出尽くしていると思うのです。
たとえばマリー・クワントのミニスカート以来、
「こんなのはじめて見た!!」というファッションに出会っていないような。
80年代に入ってからはボロルックとか、
グランジスタイルとかはありましたが、
それも、デザインそのものの変革ではなく、
わざと穴を開けたりするというアレンジの範疇でした。
かくして進化を止めたファッションは、
歴史の中からおもしろそうなモノをピックアップしては、
現代風にアレンジしています。
60年代以来、私たちはすでに新しいものではなく、
すでに作られたデザインのニューアル、リサイクル、リユース方向での
冒険を遂行していると言えます。
それはそれでおもしろいのですが、
もちろん、素材的にはこれからも進化して、
こんなの10年前は考えられなかったというような
画期的な素材が生まれる可能性はありそうです。

洋服を形作るものはデザインとパターン、生地と付属品、
そしてテキスタイル。
中でも、テキスタイルはデザイン同様、その時代のトレンドを担うものです。
別の言い方をすれば、はやりすたりに左右されるので、
一番新しかったものがあっという間に古くなっていき、
気がつけば一番古いものとなり、さらに気がつけば、
「今、これって新鮮じゃん!」となる。
そんなトレンドサークルが現代ファッションの実情だと思います。
さて、日々うつろうトレンドですが、
中には不滅のメンバーもいます。
とくにテキスタイルでは、ストライプ、水玉、花模様、ペイズリー。
いつどんなトレンドの時代も、このメンバーはレギュラー。
そして、リバティプリントもまた、どの時代にも一定の地位を占めています。
いつ見ても新鮮な印象を与えてくれる不思議な存在感。
とくにクラシックシリーズは、
100年以上も前にデザインされたプリント柄でありながら、
今なお多くの人を惹きつける磁力に満ちています。
アールヌーボースタイルを思わせる手法で描かれた植物柄は、
図案化されたものなのに野性的で生き生きとしていて、
パワフルな生命力を感じさせます。
なおかつオシャレでシック。
いつの時代にも新鮮に感じさせる要因は、そのあたりにありそうです。
そんなリバティプリントのシャツは襟元から見えているだけで、
見る人にスタイリッシュなイメージを与えます。
鮮やかな色調を用いたものや、抑えめな色調で描かれたものがあるので、
ジャケットの色目に合わせてコーディネートしてみましょう。
あるいはこれから春に向かい、
カーディガンなどで過ごす機会も増えてくる頃です。
V襟カーディガンのVゾーンからクラシカルなリバティプリントが見えると、
それだけで新鮮な印象を与えそう。
ディープなヨーロピアンテイストというイメージの
リバティプリントですが、あえてコットンパンツなどに合わせて、
アメリカンにスタイリングするのもコツ。
フローラルなリバティのシャツで、春を先取りしてみてはどうでしょう。
春夏には新柄のシャツも誕生します。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です